長所が短所に、短所が長所に
この話は先日、経営維新塾の林英臣さんから頂いたメールにあった話ですが、私はたまたま以前から知っていて、今回改めて認識し直しましたので、皆さんにお伝えさせて頂きます。
「人間には長所が短所の奴と、短所が長所の奴がいる。」これは、昭和の首相指南役であった安岡正篤先生の言葉です。長所であるはずの本性が、短所に変換してしまう者がいる反面、短所であった個性が長所に変換している者がいるということです。
せっかく学問優秀、頭脳明晰なのに、それが他を見下す傲慢さを生めば、明らかに短所です。反対に学問がない分、人から学ぶ姿勢をとれば、聞く耳が養われます。そうすれば、相手を受け止める器量が大きくなり、短所が長所に変わります。
「長所と短所は裏返し」と言う話に近いとも言えますが、人間は一人一人が個性的であり、そのままではまったく荒削りなのが普通です。しかし努力と勉強、そして経験によって大きく磨かれ器量ができてきます。「この人のこの性格は、普通なら短所だ。それを良く頑張って、長所に変えられたものだ。」世間にはこういう評価をされる立派な人達がいますが、正に欠点を魅力に変換して成功したと言ってもよいでしょう。
ところで、孔子はこう言われました。「野心は十分だが素直さがない。無知なのに謹み深さがない。愚かなのに信用がない。こういう状態では私としてもどうしようもない。」(『論語』泰伯第八)やる気満々だが性格が真っ直ぐでなく、自分の名利にばかり走っている。まだ勉強が不十分なのに知識をひけらかすことに騒がしく、じっくり学ぶ吸収力、姿勢がない。愚かで役立たず、せめて誠実であれば何とかなるのに、こすっからく信用がない。これでは救えない、という孔子の嘆きです。
野心や、無知や、愚かさは、そのままでは短所です。しかし心構えや考え方、勉強によって長所に変えることができます。
野心家は裏表のない素直さや、無私のひたむきさをもてば、情熱家として成長できます。かけひきや損得を超えろ、ということです。まだまだ無知ならば、無理して背伸びしないで利口者ぶらず聞く耳を養えば、きっと伸びていきます。たとえ愚か者で応用がきかなくても、小さな約束でも必ず守り、決めたことをやり抜けば、信用が高まり世の中に必ず役立っていきます。
以上のように、私たち人間は一人一人が個性的で、また短所だらけの集まりですが、努力と勉強によって、長所だらけの人間になることが可能です。KONOIKEの社員として精一杯皆で頑張っていきましょう。