コミュニケーションが大切
コミュニケーションとは、お互いの意志の疎通を図ることです。こんな話があります。
【ヨーロッパのある空港での話しです。ある若い女性が空港で、フライトまでの時間があったので、売店で読みたい本とクッキーを買いました。そして待合室で本を読みながらクッキーを食べ始めました。すると、隣に座っていた紳士が、クッキーを一つ、つまんで食べてしまいました。女性はびっくりしましたが、また一つクッキーを食べ、本を読み続けました。すると紳士はまた一つ、クッキーをニコニコしながら食べてしまいました。女性は紳士の顔を見ましたが、紳士はニコニコ笑っているだけで、何事もなかったようにまた一つ、クッキーを食べました。女性は少し腹が立ちましたが、もう一つクッキーを食べました。紳士もまたクッキーを食べました。そして女性と紳士は交互にクッキーを食べ続けました。とうとう最後のクッキー一つが残りました。紳士はニコニコしながら立ち上がって、行ってしまいました。若い女性は「何よ、あんな紳士顔して、他人のクッキーを勝手に食べて、見かけは紳士でもなんて礼儀知らずなんでしょう。まるで泥棒ね。せっかくの旅でいい国だと思っていたのに。たかがクッキーだけど本当に腹が立つ。」そのうちフライトの案内があり、女性は本をバッグにしまおうとバッグを開けました。なんとそこには、さっき買ったクッキーが、そのまま入っていました。】
この話から、私達は人として、コミュニケーションの大切さ、を学びたいと思います。
この二人は全くコミュニケーションが取れていない最悪の結果しか残りませんでした。そうです。これは傍目には、いい大人の関係に見えましたが、二人の間のコミュニケーションはゼロだったのです。もし紳士が一言「このクッキーは私のものですよ。でもよろしかったらどうぞ召し上がって下さい。」と伝えていたら、女性は気がついたでしょうし、また女性が「このクッキーは私のものですよ。もし欲しいのでしたらどうぞ」と一言伝えていたら、全容が明らかになっていたでしょう。コミュニケーションが大切とはこういうことだったのです。紳士はきっと「この若い女性はしょうがない奴だ。なんて勝手で遠慮がない、まるで自分のクッキーのつもりで食べている。まー クッキーぐらいはいいけれど」と顔は笑っていても腹の中では怒っていたのに違いありません。
一方、女性も自分のクッキーだと思っていますから、顔は怒っていないまでも、心の中はムシャクシャして、癇癪をおこす寸前だったのではないでしょうか。
私達大人の世界では、実はこういうことが頻繁に行われているのです。良かれと思ってしている事でも、相手には反対に取られてしまい、誤解を生むことがしばしばあるからです。たった一言付け加えることで、結果はまるで逆のことがあり得るのです。
赤ちゃんは顔で笑って居る時は、心も笑っています。そして泣いている時は心も泣いています。しかし大人は反対のことがよくあるのです。それが、大人でもあるからです。