賢者は歴史に学ぶ
表題は昔から言い伝えられている言葉です。正しくは『賢者は歴史に学び 愚者は経験に学ぶ』です。賢い人とは、歴史から得られた情報の中にある素晴らしい教えを知って、それを自分のモノとすることが出来る人です。反対に、愚か者は自分が経験したことの中から得られた情報しか、自分のモノには出来ません。『賢者は歴史に学ぶ』という場合の『歴史』とは、過去において残された全てのモノが当てはまります。例えば、偉人が残した様々な言葉であったり、あるいは先生や先輩、また祖父や祖母、親や友人達から得られた貴重な言葉もあります。また多くの本の中にも、学び取るべき知識や知恵が数多くあります。私達が学校で学んだこともその中の一つと言えるでしょう。学生時代は、先生という教えて頂ける多くの方達がいらっしゃいました。社会人となりますと、ハッキリと(先生と生徒)という区別は少なくなります。「われ以外 皆師なり」という考え方もあります。私達は賢い人になるために、多くの本や、その道のエキスパートと言われている方達の言葉をしっかり聴いて、よく勉強し自分のモノにして行きましょう。
皆さんは(アドバイス デザイナー)という言葉を、ご存知でしょうか。(アドバイス デザイナー)とは、その道のプロが、その道について「これだ」というアドバイスが、出来る人のことを言います。例えば髪型について言えば、「あなたに合った最高の髪型はこれです。」と明確に答えられる人です。年齢や職業、また色々な《TPO》に合わせて、「今日はあなたに合う髪型はこれです。なぜなら斯く斯くしかじかこのような理由からです。」と明確に答えられる人を言います。髪形だけでなく、服装や装飾品や眼鏡の類も含まれます。総じて言えば全てのことに(アドバイス デザイナー)が当てはまります。私達は様々な分野で、この(アドバイス デザイナー)を持ちたいものです。これが『歴史に学ぶ』という一つの方法でもあります。
ここで皆さんに私が若い頃、KONOIKEの2代目の社長でいらした【白井啓智さん】
に教えて頂いた言葉を紹介したいと思います。『水五訓』と言いますが、私は教えて頂いた時から、この言葉を手帳にメモし、常に反芻して今日まで来ました。
一 自ら活動して他を動かすは水なり。
二 常に己の進路を求めて止まらざるは水なり。
三 障害に逢いて激しくその精力を倍加するものは水なり。
四 自らが清くして他の汚濁を洗い清濁合わせいるは水なり。
五 洋々として大海を満たし発しては雪と変じ雨と化す
凝っては玲瓏たる氷雪となりしかもその性を失わざるは水なり。
白井さんに教えられたこの『水五訓』の『水』のように立派に生きて行きたいものです。