黒字と赤字は紙一重
表題は、読売新聞の【窓辺】(8月29日朝刊)に載っていたコラムの題名です。このコラムは「税理士法人坂本&パートナー理事長 坂本孝司」先生が書かれたコラムです。 今回のコラムは、皆さんもうすでに良くご承知でしょうが、改めて今一度皆さんに考えて頂きたく、ここに紹介します。坂本先生は会社としても、また個人的にも大変お世話になっている方で「TKC全国会」の重鎮でもいらっしゃいます。
《 現在、日本の約7割の企業が赤字経営に陥っています。こうした中で、経営者は日夜必死に努力されていることと思います。
ところで、例えば年間1千万円の赤字を計上している会社があったとしましょう。頑張ってきた社長からすればその赤字を解消することは至難の業に思えるかもしれません。しかし少し視点を変えてみたらどうでしょう。年間1千万円の赤字は、会社の年間稼働日を250日とすると1日あたり4万円の赤字です。そして1日当たりの労働時間を8時間とすると1時間当たり5千円の赤字となり、従業員を10人とすると従業員1人当たり1時間5百円の赤字ということになります。つまり年間1千万円の赤字を解消するには、「各従業員が、1時間当たり5百円の粗利(売上から仕入れと外注費を差し引いた差額)を上積みすればよい」ということです。
従業員からすれば、「1千万円の赤字を解消するぞ」と言われても、金額が大きすぎて自分が具体的に何をしたらいいのか分からないというのが正直なところでしょう。しかし、「年間1千万円の赤字と言っても大したことはない。君たち一人一人が1時間当たり5百円の粗利を余分に稼いでくれればいいんだよ」と社長が説明すれば従業員にとって実行可能な、分かりやすい提案になるのです。
とても払えそうもないマイホーム購入代金も、ローンで分割して払えば何とかやりくりできるものです。年間1千万円の赤字解消も同じ。「1時間当たり5百円の粗利をいかにして上積みするか」というような具体的レベルで全社一丸となって取り組んでみたら、「黒字と赤字は紙一重」という事実にきっと気づかれるはずです。 》
少し大きくなった会社でも同じです。数字を一桁変えてみれば分かりますが、例え1億円の赤字でも、従業員の数を100人、150人と変えることで一人当たりの粗利の額は同じ1時間当たり5百円で黒字になります。例え一億円あるいは一億五千万円の赤字でも解消できてしまいます。要は考え方で、具体的には「全役職員一人一人が1時間当たり五百円の粗利を余分に稼ぐ」これでいいのです。
今年も残り1か月、KONOIKE第6期第3四半期最後の月です。「黒字と赤字は紙一重」を良く噛みしめて、一人一人の具体的行動が結果的に【簡単に赤字にも黒字にもなってしまう事実】を承知して全員で目標達成しましょう。
『 素晴らしい未だ見ぬKONOIKEに会う為に今頑張ります。 』