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異業種を見よ

 表題は遠州信用金庫発行の「えんしんマンスリーインフォーメーション」5月22日号(企画制作株式会社タナベ経営)のサブタイトルです。『儲けの秘訣は「システム化」にあり』がタイトルですが、私はサブタイトルに意趣を持ちました。私達は常日頃からいろいろなシステムを構築するに当たり、勉強しなければならないことが沢山ありますが、今回はこの『異業種を見よ』を取り上げ、勉強したいと思います。是非読んで参考にして頂きたくここに紹介します。
《 「他社から学ぶことこそ成功への近道。私がやったことの大半は他人の模倣である」。世界最強スーパーのウォルマート創業者、サム・ウォルトンも言っている。自社技術だけでなく、他社が蓄積する技術やアイデアを組み合わせ、革新的なビジネスモデルを生み出すことを「オープンイノベーション」と呼ぶ。何でも社内完結させる“モンロー主義商法”が利益を上げる時代ではない。既存の枠組みを超え、内外の技術・ノウハウを融合する門戸開放主義の時代だ。
異業種や異業態から着想を得てシステム化に成功した事例は山ほどある。代表例が自動車メーカーのフォードだ。フォードはベルトコンベヤ導入による流れ作業を採用した大量生産方式で革命を起こしたが、これはエジソンが鉄鉱石の選鉱工場で稼働させていたシステムを取り入れたものである。ファーストリテイリングのビジネスモデルも、どの店にいつ行っても同じメニューで、同じ品質の安い商品が短時間で提供されるファストフード(マクドナルド)が手本とされる。身近な例では、売れた分だけ補充し代金を請求する富山の置き薬が、今では置き菓子(オフィスグリコ)やオフィス飲料(ユニマット)、ペット用品、文具、サプリメント、フォークリフトに至るまで幅広く応用されている。
また東京山喜という会社がある。呉服問屋の老舗だが、今は卸売から撤退している。何をやっているかと言えば、着物のリサイクルショップ「たんすや」を全国展開(110店舗)している。実は同社、つい10年前まで経営が行き詰まっていた。ライフスタイルの変化で着物人口が激減したからだ。しかし3代目の現社長が古本チェーン店「ブックオフ」を見てピンと来た。斜陽業態の古本屋がチェーン化で成長したのだから、着物もリサイクルで突破口が開けると考えたのである。早速、住宅街で着物の出張査定のチラシをまき、各家庭のたんすに眠る着物の買い取りを始めた。買い取った着物を丸洗いし、殺菌、抗菌、消臭、プレス加工を施して低価格で販売したところ、中高年女性がこぞって買い求めた。
このように異業種という調味料を加えれば、そこに新しい付加価値が生まれる。だが、異業種でなく同業種の成功事例を真似したがる中小企業は多い。そして大半が失敗に終わっている。当然だ。「置いていかないで」と背中を後追いしているだけだからだ。また異業種の成功企業からヒントを得たのは結構だが、小さな効用しか得られない企業も少なくない。これも当然だ。ビジネスモデルの形を真似るだけで、構築に必要な手間を真似しないからである。
最も肝心な付加価値も置き去りにしてはならない。ビジネスモデルは「金のなる木」ではない。優れたシステムに陳腐な付加価値を流したところで無意味である。自社の販売価格は顧客から見れば買い取り費用だ。企業の使命は顧客に利益を与えることであり、顧客から利益を奪うことではない。異業種はどんなシステムで、いかなる付加価値を流しているか観察することだ。顧客の買取り費用に見合うだけの価値を供せない企業は、やがて木のように腐っていく。  》
大変重要な内容です。私達が目指している経営理念にもよく当てはまります。全員で感度良く、顧客の変化をよく見て、もっともっと切磋琢磨して、この時代の流れを読み取り進んで行きましょう。

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