能力の限界
今年はウサギ年です。ウサギ年は(兎がピョンピョン跳ねるということから)、経済は株も上がり、景気が良くなる年回り、という見方があるそうです。実際にそうなって欲しいと願っています。願っているだけでなく、そうなるように精一杯努力します。皆さんも是非、今年の末には良い年だったと、それぞれが言えるような年にしましょう。
ここでタイトルにある『能力の限界』について蚤(ノミ)の話を紹介します。
蚤は皆さんご存じのように、昔からいた小さな寄生虫の一種ですが、最近では犬猫などの家畜にいるぐらいで、人にはあまりいないようです。昔はあちらこちらの家の中にいて、私が幼いころは、蚤に刺されて痒い思いをしました。もっと昔ですが「松尾芭蕉」の俳句の中に『蚤 虱(ノミ、シラミ)馬の尿する 枕もと』がありますが、昔はあたりまえのように、あちらこちらにいたものです。殺虫剤の効果でしょうか、最近はあまり見かけませんが。 その蚤の話ですが、兎がピョンピョン跳ねる以上に蚤はピョンピョン跳ねます。自分の体の百倍から二百倍の距離を跳躍できるそうです。ですから1メートル位は楽に跳べます。しかし或る人が実験をしたそうです。蚤を30センチメートル位のビンの中に飼っておくと、最初のうちは何度も何度も逃げ出そうと、ビンの蓋にぶちあたっても跳躍し続けるのですが、そのうち諦めたのか跳ばなくなるそうです。そしてその蚤を別の1メートル以上高さのあるビンに入れ替えても、その蚤はもはや30センチメートル位しか跳躍できなくなるそうです。大きな力持ちの象が、太い鎖から、だんだん細い鎖に変えても逃げ出さなくなることと似ていますが、ここで実験を終わってしまっては、なるほどそんなもんか、と面白くもないのですが、この或る人は次の実験をしました。もう1匹の別の蚤をこの蚤が入っているビンに入れたのです。この別の蚤は1メートル位は楽に跳べますから、1メートルの高さのある蓋にぶち当たります。何度も何度も1メートル以上も跳べる仲間が、すぐそばにいて発奮したのでしょうか、30センチメートルしか跳べなくなった最初の蚤は、それを見て面白いですね、また1メートル位何度も挑戦しているうちに跳べるようになるそうです。
自らの能力の限界を、自らの体験によって、自ら決めてしまう恐ろしさをこの実験は教えています。この実験からこの或る人は言います。「能力は自ら決めるものではない。過去に失敗したことであったり、経験のない未知な世界であっても、敢えてそれに挑む心意気が、いつしか以前には考えられないような結果を残すことが可能となる。」私達人間の持っている能力は無限です。特に若い人達は、これからの心の持ちようでどんな未来でも創り上げることが可能です。是非有意義な素晴らしい人生を創って欲しいものです。ここで『ナポレオン・ボナパルト』が残した言葉を紹介します。『愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る。』今日、現在を、精一杯生きて、これからの素晴らしい未来を創って行きましょう。今、今、今の延長が未来です。