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まず部下を尊敬せよ

 表題は先月のコラムで一部紹介した『コリン・パウエル』氏が書いた
「リーダーを目指す人の心得」の第3「人を動かす」にあります。
「部下に尊敬されようとするな、まず部下を尊敬せよ」という小タイトルです。
この本は彼の体験から得られた教訓を、実際の現場での話として
大変判り易く書かれており、是非皆さんにも読んで頂きたい本です。
今回はこの部分を私なりに抜粋して紹介します。

《 リーダーは部下に対して一定の権限を持っている。
仕事に関して服従を期待・要求出来るし、服従しない部下や期待した成果を
上げられない部下に対しては様々な手を打つことができる。
給与を引き下げる、降格するなどが出来るのだ。
特に軍隊の場合、命令に違反すると厳しい罰が下される。
服従だけでも仕事はすませられるかもしれないが、やる気を引き出すのは
難しいだろう。
服従から仕事に対する誇りやいい仕事をしようという気概が生まれるとは
考えにくい。
このような感情が生まれるには、優れたチームの一員だと部下が感じる
必要がある。
そしてそのためには、
チームメンバーがリーダーを尊敬していなければならないし、
また、自分たちがリーダーに尊敬されている
とも感じていなければならない。
チームメンバーがリーダーを信頼し、また、自分たちがリーダーに信頼されていると
感じてもいなければならない。
自分たちが高く評価され、必要とされていると
感じる必要があるのだ。
工場の組み立てラインであれば、作業員に敬意を払わずとも動かせる
かもしれない。
作業員は、自分に割り当てられた仕事をこなし、時給か出来高払いで
お金を貰うという契約をリーダーと結んでいるからだ。
お金と引き替えに機械の一部になる約束をしていると言っていい。
そのような場合でも、リーダーと部下の間に尊敬と信頼があれば、
作業員がやる気を出し、適当な仕事に逃げずに期待以上の働きを
してくれる可能性がある。
部下の尊敬は、獲得する以外方法がない。
部下からリーダーに与えられるものであって、尊敬しろと命じて得られるものではないからだ。
リーダーは、部下を良く知り、尊敬すること、また、先頭に立ち
自分の能力を示す事によって部下から尊敬を勝ち取る。
ただし、一定の距離を保ち、近づきすぎてはならない。部下が求めるのは
無私なリーダーであって、利己的なリーダーではない。
またリーダーたるもの無私でなければならず、利己的であってはならない。
倫理面においても行動面においても勇気をもち、常に正しいことを行い、
正しいことを行うためなら、首をもかける気概を持たなければならない。
厳しいが公正であり、職権を乱用しない。自ら手本を示すのは勿論、
自分たちも手本になろうと部下たちに思わせる。
部下はそういうリーダーを求めるのだ。そのような状態が実現された時、
はっきり分かるほど組織内に活気があふれる。
部下がリーダーの面倒をみてくれ、リーダーや組織が成功するよう努力
してくれる。
いい結果を出したいという強い想いを全員が持ってくれるのだ。・・・

リーダーは部下を知らなければならないし、優れた能力を発揮出来なければ
ならない。だが同時にリーダーも一人の人間であり、部下に立ち入らせない
プライバシーゾーンを持たなければならない。
「親しきなかにも礼儀あり」だ。親しくなりすぎると全員が横並びになってしまうと
表現した方がいいかもしれない。リーダーは兵とともにいるが、
その立ち位置は彼らの上。リーダーというのは、どこか不思議なオーラを
身にまとっている必要があるのだ。
リーダーは部下に好かれたいと思うし、部下は自分たちが好きなリーダーで
あって欲しいと願うが、好きだという感情は必ずしも必要ない。
その方が何事もスムーズに進むが、尊敬する意識が欠けていれば組織運営は
混乱する。好きだという思いは尊敬から生まれるべきもので、
リーダーが部下におもねったり、部下の友達のようになろうとしたりするのは
間違っている。部下は甘い上司がいいと思っているわけではないのだ。
そこには越えられない一線がなければならない。
部下は友達ではなく、あくまでも部下なのだ。部下と違いの無いリーダー、
部下だけでは得られない何かを提供してくれないリーダーなど、いなくても
同じである。
「うちの組織は優秀でね、私がいなくてもちゃんと動くんだ」と自慢する
リーダーがよくいる。そう言われると、私は「ふーん、だったらあなたは
不要なのでは?」と聞き返したくなってしまう。
部下の上にはいるかもしれないが、部下を超える存在ではない、と
感じるからだ。部下と親睦を深めるのはいいが、友達づきあいにならないように
リーダーは気をつけなければならない。
気さくであることはいいが、なれ合ってはならない。部下が自由と勝手をはき違える
ようなことは避けなければならない。
  》

 少し長くなりましたが知っておいて欲しいことですので紹介しました。
まだまだこの本にはいいエキスがたくさんあります。
是非リーダーを目指している人、また現在リーダーである方は読んで欲しいと思います。

 
     
 『 素晴らしい未だ見ぬKONOIKEに会う為に今頑張ります。 』

                                            以上