情けは人の為ならず
「情けは人の為ならず」
この言葉の意味は
①情けを人にかけておけば、巡り巡って自分にもよい報いがある
②情をかけることは、かえってその人のためにならない
①、②どちらだと思いますか?
世論調査をすると、①と答える人と②と答える人が半分づつらしく、本来の意味と誤解された②が広く間違って浸透していることがわかります。こんな言葉も珍しくありませんか?
詳しくは↓
http://www.bunka.go.jp/publish/bunkachou_geppou/2012_03/series_08/series_08.html
正解は①なのですが、なぜこの言葉を紹介したかというと、この昔から使われている
・人に親切にすれば、親切が帰ってくる→「情けは人の為ならず」
を科学的に実験し、実証したとの新聞記事を目にしたからです。
<「情けは人のためならず」を初実証 阪大グループ>
人間は日常生活で困っている他人を見ると、たとえそれが自分の知らない人であっても助けてあげたい衝動にかられ、多くの場合何らかの親切を行う性質を持っている。この理由を説明するために提唱されたのが「社会間接互恵性」と呼ばれる仕組み。ある人が親切な行動をした結果、評価が高まり、他者への親切な行動が回り回って別の第三者から返ってくることを指す。これはまさに「情けは人の為ならず」ということわざが表す内容と同じこと。しかし、この仕組みが日常生活でも働いているかは、これまで示されていなかった。
大阪大学の研究グループは、保育園で5~6歳齢児を対象として日常生活での幼児同士の利他行動のやり取りのデータを収集し、「社会間接互恵性」の仕組みが実際に働いていることを世界で初めて発見した。この成果は8月7日付けでPLOS ONE誌に発表された。
この研究グループは、別の児童に親切な行動を行った児童(「親切児」)とその瞬間に親切児の周囲1メートル以内で目撃していた児童(「目撃児」)をそれぞれ親切行動から10分間、行動を記録した。親切行動後、「目撃児」が「親切児童」に向けて親切行動や仲良くする行動をするかと調査した。さらに親切行動があった後日、「親切児」のすぐ近くに同じ「目撃児」がいるのを発見したら、こちらも同様に10分間同様の観察を行った。親切行動後の場面と普段の場面とで比べると、親切行動後の場面ではより高い頻度で「目撃児」からの親切行動や仲良くする行動が起こっていた。つまり、幼児はある他児が親切をしているのを観察すると、その幼児に対し、選択的に親切をしたり、積極的に仲良しになろうとしたりしていた。
この結果から、「他者間のやり取りから他者の評価を形成し、親切な者にはより親切に振る舞う」という社会間接互恵性の成立にとって重要な行動傾向が、幼児期から日常生活で発揮されていることが明らかとなった。この知見は親切行動のネットワークそのものであるボランティア・コミュニティなどを構築、維持する上で示唆に富む基礎情報になると考えられる。また、将来的には実社会で制度やサービスを設計する際に、どこにポイントを置けば参加者や消費者の親切心が発揮されやすく、制度やサービスが維持されやすいかなどが分かってくる可能性がある。
とても興味深い結果ですよね。親切にされて心から嫌な思いをする人などいないですから….。
利他の心とは、他人も自分も幸せになれる魔法の言葉なのでしょうね!