甘いお菓子で夏バテ対策?
【6月の16日は、和菓子の日】
西暦848年(承和15年・嘉祥元年)の夏、仁明天皇が御神託に基づいて、6月16日に16の数にちなんだ菓子、餅などを神前に供えて、疫病を除け健康招福を祈誓し、「嘉祥」と改元したというのが由来です。
四季がはっきりした日本では、各地の職人がそれぞれの季節感を表した伝統的な菓子作りを続けてきました。
古くから多種多様な和菓子が生み出されてきた京都には、6月の和名をそのままに称した「水無月(みなづき)」という銘菓があり、6月30日にこれを味わう伝統があるそうです。
・「水無月」とは?
水無月は三角形の珍しい形をしています。これは氷をイメージして作られたことによるものです。6月に氷は意外だと思われるでしょうが。昔の人たちにとっては暑い時季の氷というのはとても贅沢な品だったのです。
そのため白い“ういろう”を氷のかけらに見立て、上に小豆を乗せた三角形の水無月が考え出されたとされています。
小豆の赤い色には邪気を払う厄除け・魔除けの意味があるほかに、栄養豊富な食材です。
暑いこの時季に夏バテをしないようにという思いから、小豆を載せるようになったといわれています。
・京都の人たちは水無月を6月30日に食べる伝統がある。
「6月30日はちょうど1年の半分の区切りとなる日で、『夏越の祓』と呼ばれる神事が行われます。
参拝する人たちは茅の輪をくぐることで、それまでの半年間の日常生活のなかで知らず知らずのうちに犯してしまった罪や悪い心を祓い清めて、残りの半年間を健康に過ごしていこうと祈ります。夏越の祓の6月30日に水無月を食べるのは、茅の輪くぐりと同じ厄除けの意味が込められているからです。
水無月は近年、その名にちなんで全国各地の和菓子店でも「6の銘菓」として販売されているようです。京都以外でも水無月を見かけることがあったら、ぜひ味わってみてはいかがでしょうか。