叱り方のお手本
表題は最新のプレジデント2010、9、13号のタイトルです。KONOIKEは今期から決算期を9月30日に変えました。ですから今月がKONOIKE第7期の決算月になります。今期は変則的に半年の決算になります。今期の目標達成に向け、全社挙げて邁進しているところですが、大幅に目標達成出来る部門と、そうでない所が出て来そうです。全社の目標を達成するために、今回は表題のように,「叱るべきところでは叱る」というお手本を紹介します。何を今更と思われるかも知れませんが、敢えてここに紹介します。
紹介する文書は『ワタミ会長の渡邊美樹さん』が書かれたものの抜粋です。
《 叱り方3カ条 ①その場で、心のままに叱るべし
②感情で怒るな、冷静に理由を語れ
③心の底から部下を好きであれ
あえていいます。人は叱るのでなく、褒めて育てるべきです。褒めることで、自発的に仕事をするように仕向けるのです。ただ、どこかで叱るという行為を差し挟まないと、方向性を定めることができません。叱ることであんたの範囲はここからここまでだよ、ということを分からせるのです。(サービス業は人材教育がすべてと言われる。渡邊美樹氏は徒手空拳から居酒屋経営を始め従業員4,000人のワタミグループを築き上げた。最も重要な叱る局面ではどのような極意を発揮したのか。)僕は叱ることについて二つの原則を持っています。一つは「心のままに」。その場できちんと、思ったことを表現するということです。もう一つは「冷静に」感情で怒ることはありません。「この人、感情で言っているだけじゃん」と思えば、相手は心の扉を閉ざしてしまいます。だから叱る理由をきちんと伝えるのです。これらは矛盾しているようですが、この二つを満たさなければ、叱ることはできないと思います。たとえばビルの八階とか九階で会議をしている時、「いますぐ、ここから飛び降りろ」と平気で言います。本当に飛び降りたやつがいなくて良かったなと思いますけれど、これはその場で、心のままに叱るからです。それと同時に叱る理由をきちんと言葉にしなければいけません。たとえば「お客様のクレームから逃げた」「徹底して原因を追及していない」とか。これを僕は許しません。最近もこんなことがありました。ワタミグループは常に、地域の方々に必要とされる店を作りたいと考えています。にもかかわらず、地域の方からのクレームが増えているのです。我々はチェーン店なので店長が交代します。その時に、商店会の取り決めだとか、お祭りへの協賛といったことを、新しい店長がきちんと引き継いでいないというのです。「店長交代のときに商店会長のところへ挨拶に行っているか?その時に話を聞いていればクレームなんかこないぞ。最近は自分の店を守ればいいと考えているやつが多い。でも商店会の方々との付き合いも、広い意味では店を守ることだ。仕事の範囲が、サラリーマン化しているんじゃないのか!」僕は先日の会議で、こんなふうに雷を落としてきました。やはり経営にはリーダーの「気」が不可欠なのです。朝起きて、一度仕事についたら絶対に気をぬいてはダメ。腹の下に力を込めて、息をしないくらいの気迫がないと部下は動きません。その上で、部下たちを上手に戦闘態勢に持って行くのがリーダーの役目です。敵が攻めてくる。逃げたくなる。しかしおまえは前を向いて戦わないかぎり死ぬんだぞ、ということを言葉で伝える。つまり、追い込むのです。店長やエリアマネージャーに対しては仕事を与えればいい。数値目標だけでなく、あるべき状態を達成せよということです。たとえば「なぜ、あのアルバイトさんは笑顔じゃないの?」という言い方で、何が不足しているかを気づかせます。今僕は「追い込む」という厳しい言葉を使いました。しかし、文字通り追い込んでいけば相手を潰しかねません。だから冷静さを残し、簡単に潰さないよう配慮する必要がある。創業から26年間、僕は部下に対して「辞めろ」と言ったことは一回もありません。僕は社員が好きだから、絶対に辞めてほしくないんです。叱るときも根底にあるのは「好き」という感情で、好きでなければ叱る資格はないんです。もちろんダメなところのある社員はいます。何度叱っても同じ失敗を繰り返す社員がいたら、今の仕事に向いていないのだから職場を変えればいい。その人のいいところを見つけてあげ、実力を発揮できるような場所を提供することは、経営者の仕事ですよ。 》
最近、名経営者として、とみにテレビなどへの出演が多い渡邊美樹さんの言葉です。勉強させていただきこれからのKONOIKEの発展のためにも、社員の幸せのためにも、残りの今期の目標達成のためにも、リーダーたるものしっかり身に付けたい言葉です。