犠牲を乗り越え大復興を
3月11日に起きた東日本大震災の爪痕が、50日以上経った今も、未だ道筋さえ示されず、深く日本人の心に刻まれており、行く末を軽々しく言い放つことを許されないような重苦しい空気に日本中が包まれています。しかし日経ビジネス4月4日号の中にアメリカコロンビア大学政治学部教授のジェラルド・カーチスさんが著された『犠牲を乗り越え大復興を、政治家は覚悟を決めよ』がありました。日本人として誇り高く生きていくためにも大変参考になる文章です。皆さんにも読んで頂きたく紹介します。
《 東日本大震災の被害はあまりにも甚大ですが、我々はこの惨禍を乗り越えていかなければならない。日本が好きで、1年の半分近くを日本で暮らす米国人として、あえて「我々」と言いたいのですが、この世に残され、生かされた我々は、この辛苦に耐え、前向きに、被災地と日本をしっかりと復興させる責務を負ったのです。歴史的に見ると、江戸から明治への開国維新の時、そして敗戦後の復興期に次いで、近代日本にとっては第3の大転換を迎えたと言えるでしょう。とてつもない危機に遭遇した時、日本人はひたむきに我慢強く変革と再建に取り組み、民族に独特の心理的結束によって潜在力を発揮してきました。今回も必ずや世界が驚くような大復興を遂げるに違いないと確信しています。ただし、1つだけ心配なのは日本の政治です。震災の直前、日本の政治は何をやっていましたか。外国人から違法な政治献金を受けたという理由で前原誠司外務相が辞任に追い込まれました。外国人といっても日本に長年住んでいる在日韓国人じゃないですか。メディアは喜々として騒ぎ、次の照準を菅直人首相に定めていました。衆院の解散総選挙は時間の問題だと誰もが考え、政治ではなく政局、政策ではなく政界再編が語られていました。東日本大震災の被災者救援が少し落ち着いた時に、日本の政治がそんなばかげた政局に戻るだけならば、日本の望みは絶たれます。それは犠牲になった多くの人達に対する冒涜であり、国家的な罪悪です。日本の有権者はそんな政治を絶対に許すべきではない。民主党政権と野党は、少なくとも年内は解散総選挙をやらないことに合意すべきです。そして超党派の復興委員会を作り東北再建プランを早急に練り上げる。マニュフェストはいったんご破算にして、ゼロからビジョンを立て、青写真を描くのです。スマートシティーを建設し、スマートグリッドを張り巡らせ、新しい産業創造の場とする。最高水準の医療設備や介護サービスを整備して、世界に類を見ない理想的な職住環境を作る。東北大学などを拠点として21世紀型テクノロジーの集積地とし、国内外から優良企業や投資マネー、再優秀な人材を呼び込む。世界各国が直面するエネルギー、食料、高齢化などの諸問題に対して東北から答えを出すのです。例えば、東北地方をロボット開発の世界的拠点にするのはどうでしょうか。危険極まりない被災地での救援活動や原子炉への放水作業などはロボットにやらせればいい。今回の災害で、なぜ日本製の高性能ロボットが使われていないのが不思議なくらいです。しかし、それもこれも政治がまともなればこそ。民主党だろうが自民党だろうが関係ない。「あなたたちしかいない。政治家こそ覚悟を決めろ」と言いたい。米国の2大政党制も硬直状態に陥っているので偉そうなことは言えません。しかし、日本の政治リーダーはこの非常時にこそ旧来型の政治手法から脱却しもっと高い次元を目指し、世界のモデルになってほしい。そのチャンスはあると私は信じます。》
素晴らしい提言であると思います。「ピンチ」を「チャンス」にです。日本人の気質である頑張り抜く力を世界中に知らしめ、メイドインジャパンの信頼性を取り戻しましょう。
頑張れ東北、頑張れ日本、そして頑張ろうKONOIKE です。