【広大地評価】そもそも、どうしてこんなに減額されるの?
KONOIKEブログで毎月配信しているマンスリーの11月号は平成29年度税制改正大網の広大地評価についての記事でした。
このマンスリーを持参して地主さんを訪問したところ、とても好評で、役に立つ情報を提供してくれてありがとうとお言葉を3名の地主さんからいただきました。
そこで、ブログで広大地評価の基本的な知識を整理したいと思います。
▼そもそも、広大地に認められればなぜこんなに大きな減額が認められるのか
主に戸建て用の土地は面積が大きくなればなるほど単価が下がるのが原理・原則です。
それは宅地化して販売するための開発道路の負担、宅地造成工事費、期間、金利負担、事業リスク等のマイナス要因が増えるためです。
広大地の補正割合はこれらの費用項目を全て入れ込んだ数字になっています。
(例えば2,000m²であれば正面路線価の50%引きになります)
▼用語の定義 広大地とは
参照)国税庁 No.4610
広大地とは、その地域における標準的な宅地の地積に比して著しく地積が広大な宅地で、都市計画法第4条第12項に規定する開発行為を行うとした場合に公共公益的施設用地の負担が必要と認められるものをいいます。ただし、大規模工場用地に該当するもの及び中高層の集合住宅等の敷地用地に適しているものは除かれます。
参照)土地・住宅税制はこう変わる!
郊外の住宅地周辺にある一定の広さ以上の宅地を評価する際に、その宅地を戸建て住宅用地として開発しようとする際には、道路や公園などを設定しなければならないために、いわゆる潰れ地が発生し、利用できる有効面積が少なくなります。宅地を評価する際にはその分を考慮して評価しなければなりません。このような土地を「広大地」といいます。
▼広大地の評価計算方法
〇通常の宅地評価 = 路線価 × 補正率※ × 面積
※ 形状(不整形・奥行)を考慮した補正率
〇現行の広大地の評価 = 路線価 × 広大地補正率※ × 面積
※ 広大地補正率 = 0.6 - 0.05 × 広大地の面積 ÷ 1000㎡
〇改正後の広大地の評価 = 路線価 × 補正率※1 × 規模格差補正率※2 × 面積
※1 形状(不整形・奥行)を考慮した補正率
※2 面積を考慮した補正率
▼平成29年度税制改正大網の主な内容
〇現行の面積に比例的に減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に見直す。
〇適用要件を明確化する。
〇改正は、平成30年1月1日以後の相続等により取得した財産の評価に適用する。
現行制度では、広大地が適用できる場合、面積だけで補正率が決まります。
不整形、がけ地、無道路地、どれも同じ補正率です。
この点が改正されることになり、形状・面積に基づき評価する方法となります。
整形な広大地については、現行制度より補正率が弱まることが予想されています。
つまり、平成30年になると、相続税評価額が上昇する土地がありそうだということです。
簡単ではありますが、基本的な知識整理のお役に立てたらと思います。
以上です。